不動産用語集
あ行
青田売り
「青田売り(あおたうり)」とは、家や土地が完成する前に販売することです。例えば、新しいマンションや一戸建てがまだ建設中の時に、先に売ってしまうことを指します。
売る側は早くお金を集めることができリスクを減らすことができますが、買う側は完成したものが最初に聞いていたものと違う場合があるため不安が残ることがあります。
そのため、工事の許可を受けてから広告を出すことが決まりになっており、手付金などの保護も義務付けられています。
当て物件
「当て物件(あてぶっけん)」とは、不動産営業で意図的に紹介される条件が劣る物件のことです。
内見者をがっかりさせることで、実際に売り込みたい「本命物件」の魅力を際立たせる手法です。例えば、外観や内装が古い物件や駅から遠い物件が該当します。
営業マンは「当て物件」で顧客の期待値を下げた後、本命物件に対する関心を高めることを狙います。
あんこ
不動産業界の「あんこ」とは、売主と買主の間にいる第三の不動産仲介会社のことを指します。
例えば、A社が売主、B社が買主の仲介をしているとき、その間に入って情報を提供するC社が「あんこ業者」です。
あんこ業者は通常、直接取引には関わらず、情報を渡すだけで仲介手数料を受け取ります。このため、取引に多くの業者が関わることになり、全体の手数料が高くなる場合があります。
一般媒介契約
「一般媒介契約(いっぱんばいかいけいやく)」とは、売買契約のひとつで、売りたい人や貸したい人が複数の不動産業者に依頼できる契約のことです。この契約では、依頼者はどの業者にも依頼できるだけでなく、自分で取引相手を見つけることもできます。
「明示型」と「非明示型」の2種類があり、明示型では他の業者に依頼していることを告げる必要がありますが、非明示型ではその義務はありません。
業者は、独占的に取引を行えないため、積極的な営業活動が期待できない場合もあります。
媒介契約には「一般媒介契約」の他に「専属専任媒介契約」「専任媒介契約」があります。
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媒介契約について詳しく知りたい方は「媒介契約は3種類!それぞれの特徴を解説」をご覧ください。
居抜き
「居抜き(いぬき)」とは、物件を借りたり買ったりする際に、前の人が使っていた家具や設備がそのまま残っている状態で取引することです。
例えば、飲食店の物件を居抜きで借りると、前の店のキッチンやテーブルがそのまま使えるため、初期費用を節約でき、すぐに営業を始めることができます。
居抜きでは、物件の価値だけでなく、残っている設備や内装の価値も考えられます。
違約金
「違約金(いやくきん)」とは、契約で決めたルールを守らなかった場合に支払うお金のことです。
例えば、家を買う契約で決めた条件を守らないと、約束した金額を払わなければなりません。このお金は、実際にどれだけ損害が出たかに関係なく支払う必要があります。
違約金は、契約違反の際にどれくらいの金額を払うかを最初から決めておくためのものです。
売建住宅
「売建住宅(うりたてじゅうたく)」とは、土地を購入した後、その土地に家を建てる方法です。
まず土地を買った後に、その土地に家を建てるための契約をします。このとき、家を建てる業者や設計の基本は決まっており、購入者はその中から選ぶことが多いです。完全に自由に設計できるわけではありませんが、ある程度の変更は可能です。
すでに建てられた住宅を販売する「建売住宅(たてうりじゅうたく)」と違って、家はまだ建てられておらず、土地とセットで購入する形になります。
MB
「MB」とは「メーターボックス」の略で、電気や水道、ガスのメーターを収納する箱のことです。
通常、玄関の近くや共用廊下に設置されていて、外部の人がメーターを簡単にチェックできるようになっています。
マンションでは専有部分ではなく、共用部分として扱われます。パイプスペースの中にある場合は「MBPS」と表示されることもあります。
LDK
「LDK」とは、リビング(居間)、ダイニング(食事室)、キッチン(台所)が一つの部屋にまとめられた間取りのことです。
このような部屋は、広さと機能が必要とされますが、具体的な広さの決まりはありません。
例えば、8畳から10畳以上の広さがある場合に「LDK」と呼ばれます。
数字がつく場合(例:2LDK)は、LDKの他にいくつの部屋があるかを示しています。
エンド
「エンド」とは「エンドユーザー」の略で、不動産を最終的に購入して自分で長く使う人のことを指します。つまり、物件の流通過程で最後(エンド)にその物件を実際に使う人のことです。
また、不動産会社が物件の仕入れ価格に利益を上乗せして販売する価格を「エンド価格」と呼びます。エンドは業者ではなく一般の消費者を指す用語です。
おとり広告
「おとり広告」とは、実際には取引できない物件を宣伝する広告のことです。
例えば、存在しない物件や、すでに売却済みの物件、売主が取引の意思がない物件などがこれに該当します。
このような広告は客寄せのために使われますが、宅地建物取引業法や不動産公正取引協議会の規約で禁止されています。おとり広告は不正行為とされ、法律に違反します。
か行
火災保険料
「火災保険料」とは、火事や自然災害、盗難などによって建物や家財に損害があった場合に補償を受けるための保険料です。
賃貸住宅では、1年ごとに契約することが多く、料金は4000円から1万円以上まで幅があります。料金の違いは、家財や借家人の責任、隣家への賠償などの補償内容によります。
保険は1〜2年契約が一般的ですが、最大5年契約も可能で、長期契約の方が安くなることがあります。
瑕疵担保責任
「瑕疵担保責任(かしたんぽせきにん)」とは、不動産や物品の売買で、引き渡された物が契約内容と違う場合に、売主が責任を負うことです。
例えば、買った家に雨漏りなどの問題があった場合、売主は修理や損害の賠償をしなければなりません。もし問題が見つかったら、買主は修理や代金の減額、契約の解除などを要求できます。
新築の家については特別な法律があり、売主の責任が強化されています。
※2020年4月1日に施行された民法改正により、「瑕疵担保責任」は、「契約不適合責任(けいやくふてきごうせきにん)」へと改められました。
片手
「片手(かたて)」とは、不動産取引で仲介業者が成功報酬を取引の当事者のうち一方からだけ受け取ることです。
例えば、売り手から依頼を受けた業者が買い手を別の業者に探してもらった場合、売り手からのみ報酬を受け取るため、「片手」となります。
これに対して、売り手と買い手の両方から報酬を受け取る場合は「両手」と呼ばれます。
管理会社
「管理会社(かんりがいしゃ)」とは、不動産の所有者から建物の管理を任されている会社のことです。業務内容には、設備の点検や修理、賃料の徴収、テナントの募集などがあります。
なお、管理対象となる不動産の種類に応じて「マンション管理業」「ビル管理業」「賃貸住宅管理業」に大別でき、その中でマンション管理業の場合は、法律で登録や報告が義務付けられています。
管理会社はこれらの業務を専門に行うことで、不動産の維持や運営をサポートしています。
管理組合
マンションなどの区分所有建物では、建物や敷地の管理をするために「管理組合(かんりくみあい)」というグループが作られます。区分所有者は必ずこの管理組合に参加しなければなりません。
管理組合は集会を開いて管理に関する決まりごとを決め、管理規約を作ります。組合には理事会があり、理事が管理業務を行います。
また、管理組合は法人としても認められ、その場合「管理組合法人」と呼ばれます。
管理費
「管理費(かんりひ)」とは、マンションやビルの共用部分を維持するための費用です。
これには、共用の電気代や水道代、清掃やゴミ処理、設備の保守点検、管理人の人件費などが含まれます。大規模な建物では、追加のサービスに使われることもあります。
管理費は、各住戸やテナントが専有面積の持分に応じて負担し、通常は家賃と一緒に支払います。
基準地価
「基準地価(きじゅんちか)」とは、毎年9月に各都道府県が発表する土地の価格指標です。
これは、7月1日時点の土地の価格をもとにして計算され、全国約2万地点の「基準地」に対して行われます。
基準地価は、土地取引の価格の目安となり、地価公示と合わせて土地の価格変動を把握するために使われます。
客付業者
「客付業者(きゃくづけぎょうしゃ)」とは、不動産を買いたい人や借りたい人を見つける仲介業者のことです。物件の売主や貸主から依頼されて、顧客を探して取引を成立させます。
例えば、アパートを借りたい人を見つけるのがこの業者の仕事です。客付業者は、取引が成立すると、顧客から仲介手数料をもらいます。
これに対して、物件をオーナー(売主や貸主)から直接依頼を受ける業者を「元付業者(もとづけぎょうしゃ)」と言います。
共益費
「共益費(きょうえきひ)」とは、賃貸のマンションやビルで、家賃とは別に毎月支払う費用のことで、共用部分の維持や管理にかかる費用をカバーします。例えば、共用部分の電気代や水道代、清掃費などが含まれます。
共益費は建物全体の管理や清掃、警備などに使われるので、入居者全員で分担することが一般的です。通常、家賃の5〜10%程度が目安です。
共有部分
「共有部分(きょうゆうぶぶん)」とは、分譲マンションなどで、全ての住人が一緒に使う部分のことです。具体的には、エントランスや廊下、階段、エレベーター、外壁、管理室、集会室などがあります。
各住人は、共用部分を使う権利があり、その持分は部屋の広さに応じて決まりますが、単独で売ったりすることはできません。
金消契約
「金消契約(きんしょうけいやく)」とは「金銭消費貸借契約」の略で、銀行からお金を借りるために結ぶ契約のことです。例えば、住宅を買うときに住宅ローンを利用する際に銀行と交わします。
この契約は不動産会社ではなく、銀行との契約です。金消契約を結ぶことで、銀行からお金を借りて、将来返済することを約束します。
不動産会社が手続きをサポートすることもありますが、契約自体は銀行とのものです。
区分所有
「区分所有(くぶんしょゆう)」とは、建物の中で独立した部分をそれぞれ別々に所有する方法です。例えば、分譲マンションの各部屋やオフィスビルの各フロアなどが該当します。
区分所有が成立するためには、建物の各部分が物理的に分かれており、独立して使えることが必要です。これにより、マンションの住人やオフィスビルのテナントが、それぞれの部分を所有し、共用部分(廊下や階段など)はみんなで共有します。
契約期間
「契約期間(けいやくきかん)」とは、賃貸契約が有効な期間のことです。例えば、賃貸マンションの契約は多くの場合2年で設定されます。
契約が終わると、更新手続きが必要です。契約期間中に途中解約する場合は、契約書に違約金が記載されていることがあるので、その確認が重要です。
決済
不動産の「決済(けっさい)」とは、買主が売主に残りの売買代金を支払うことです。この時、物件の所有権が売主から買主に移り、物件も引き渡されます。
また、所有権移転のための登記申請も行います。決済が完了すると、売買が正式に成立したことになります。
▼関連記事
不動産の売買方法について詳しく知りたい方は、以下の関連記事も合わせてご覧ください。
・売却について:「不動産を「売る」場合の流れ|STEP8」
・購入について:「不動産を「買う」場合の流れ|STEP8」
建蔽率
「建蔽率(けんぺいりつ)」とは、敷地面積に対する建物の建築面積の割合を示します。例えば、100平方メートルの敷地に50平方メートルの建物を建てる場合、建蔽率は50%です。
都市計画では、建蔽率の上限が用途地域ごとに設定されており、日照や通風、防火などを考慮して制限されています。特定の条件下では建蔽率が増えることもあります。
減価償却
「減価償却(げんかしょうきゃく)」とは、長期間使う資産の価値が時間とともに減ることを、会計上で費用として計上する方法です。
例えば、生産設備や建物などを何年も使う場合、その購入費用を毎年少しずつ費用として分けて計上します。これにより、資産が使われるにつれてその価値が減少することを反映します。
ただし、土地など減価しない資産は減価償却の対象にはなりません。
現況有姿
「現況有姿(げんきょうゆうし)」とは、物件を「そのままの状態」で取引することを意味します。例えば、土地や中古住宅の設備が整っていない状態でも、そのままで売買が行われます。
明確な定義はないのが実情で、「現況有姿売買」だからといって売主が物件の欠陥に対して責任を免れるとは限らないので注意が必要です。
更新料
「更新料(こうしんりょう)」とは、賃貸契約の期間が終了して契約を更新する際に、借主から貸主に支払うお金のことです。
一般的には2年ごとに家賃の1ヶ月分程度が相場です。ただし、地域や物件によっては更新料がないこともあります。
更新料のルールは法律で定められていないため、契約書に記載されている内容を確認することが大切です。
告知事項
「告知事項(こくちじこう)」とは、物件に隠れた問題や欠陥がある場合、それについて買主や借主に知らせる義務がある情報です。
例えば、過去に事件や火災があった物件などがこれに該当します。物件広告に「告知事項あり」と記載されている場合は、内容を不動産会社に必ず確認しましょう。
告知事項のある物件は、特別な配慮が必要な場合があるため、購入や賃貸契約をする前にしっかりと調べることが重要です。
個人信用情報・個信
「個人信用情報(こじんしんようじょうほう)」とは、ローンやクレジットカードの契約内容や支払い状況などの情報で、個信(こしん)と略されることもあります。金融機関やクレジット会社がこの情報を使って、借り手の信用を判断します。
個人信用情報は、個人信用情報機関という専門の機関に登録されています。これには全国銀行個人信用情報センター(JBA)、株式会社シー・アイ・シー(CIC)、株式会社日本信用情報機構(JICC)の3つがあります。個人が自分の信用情報を確認することもできます。
個人属性
「個人属性(こじんぞくせい)」とは、融資を申し込む人の勤務先や年収など、経済的・社会的な背景を指します。金融機関はこの情報をもとに、その人が返済できるかどうかを判断します。
個人属性の判断基準は金融機関によってさまざまですが、家族構成、勤務先、年収、保有資産などが一般的です。
例えば、年収が高い、安定した仕事を持っているなどの条件が良ければ、融資の可能性や条件が有利になることがあります。
た行
宅地建物取引士
「宅地建物取引士(宅建士)」とは不動産の専門家であり、不動産取引におけるさまざまな業務を行う国家資格保持者のことです。
彼らは不動産の売買や賃貸、管理など幅広い分野で活躍します。
詳しくは関連記事「宅建士とは?どんな業務を行うの?」をご覧ください。
は行
媒介契約
不動産会社に仲介をしてもらう際に結ぶのが媒介契約です。
媒介契約には「専属専任媒介契約」「専任媒介契約」「一般媒介契約」の3種類があります。
■専属専任媒介契約
…1社だけにしか依頼できないかつ、自分で買主を見つけることもできない
■専任媒介契約
…1社だけにしか依頼できないが、自分で買主を見つけることができる
■一般媒介契約
…複数の不動産会社に売却依頼をすることができる
詳しくは、関連記事「媒介契約は3種類!それぞれの特徴を解説」をご覧ください。
不動産
不動産とは、土地や建物といった移動ができない財産のことです。
民法(86条1項)では、不動産とは「土地および土地に定着物」と定義されています。定着物というのが「建物」になります。
不動産は他の財産とは異なり、移動ができず、また大変高価なものなので、さまざまなルールやいろんな専門家が関わっています。
詳しくは関連記事「不動産とは?登記や法律について解説!」をご覧ください。
ら行
レインズ(REINS)
レインズとは、国土交通大臣から指定された不動産流通機構が運営する、不動産流通標準情報システムのことです。
登録された情報を他のすべての不動産会社に提供することで、最適な買主を探すことができるよう、不動産流通の円滑化を目的としています。
なおレインズを利用できるのは、不動産会社のみです。「レインズで情報を調べたい」という方は、お近くの不動産会社へご相談ください